国の種類・名称・分類

国の種類と概要

王国

王や女王が治める君主国。

帝国

皇帝・女帝が統治する君主国。
複数の国・地域や民族を支配する大規模国家。

公国・大公国

『公(公爵)』『大公』の称号を持つ者が治める君主国。
日本語では、王族である『prince』と、貴族である『duke』『grand duke』が両方とも『公』『大公』と訳される。

皇国・首長国・藩王国

皇国:天子(皇帝・天皇など)
首長国:首長(イスラム国の君主・アミール)
藩王国:藩王(イギリスの植民地において一定の支配権を認められていた王)
が治める君主国。

共和国

君主がいない国。
元首は大統領・国家主席・書記長など。

連邦・合衆国

複数の州・国・邦の集合体が、ひとつの上位政府によって統治されている形態の国家。
対義語は『単一国家』。

教皇領・司教領・大司教領

ローマ教皇(またはローマ教皇庁)、君主としての爵位を持つ司教・大司教という、宗教組織または教区の長が治める領土。
国家としての体制も持っており『教皇国』『司教国』『大司教国』とも呼ばれる。

創作作品中の宗教国家としては、法王国、教国、聖国などの名称もある。

国家間の関係

宗主国

従属する国や植民地に対して支配権を持つ国のこと。

従属国

主権(外交権や国防、財政など)の一部を宗主国に委ね、従属的な関係にある国。

不庸国・属国

一定の自治権を認められているが、主権の一部が宗主国の国内法により制限され、従属的な関係にある半独立国。あくまで宗主国の一部である。

保護国(被保護国)

形式的には独立しているが、主権の一部を宗主国に譲渡または奪われ、従属している状態の国家。
宗主国との関係を示す際に『被保護国』と表現することがある。
現在は下記『自由連合』という形を取ることが多い。

植民地

自国民を移住させ、本国の新領土として支配下においた地域。(古代)
侵略により獲得した海外の領土。(近現代)
主権は本国が有し、本国から派遣または任命された長が統治することが多い。

自治領

主権を持つ国家の内部において、独立国に近い自治を認められている地域。(主権はあくまでも母体となる国にある)

自由連合

『保護国』の関係と同じだが、連合国同士は対等な関係であり、宗主国的立場の国が保護国的立場の国の内政に自由に干渉することはできない。

主権の所在による体制の分類

君主制

一人の支配者によって統治される政治形態。

専制君主制

世襲などによる身分的な支配層により、絶対的かつ懇意的に行われる政治の形態。

絶対君主制(絶対王政)

君主が何者にも拘束されない絶対的な権力をもつ政治体制。
絶対主義(絶対的な存在や、絶対的な価値・基準の存在を認める考え)に基づく君主制。

啓蒙専制君主

絶対君主制の君主のうち、啓蒙的な思想に基づき、近代化のために開明的な政策をとった者。

独裁制

特定の個人、少数者または党派が絶対的な政治権力を独占する政治体制。
専制君主制との違いは、支配者が世襲ではないことなど。

制限君主制

君主の権力が制限されている政治体制。

立憲君主制

法律・憲法により君主の権力が制限されている政治体制。

議会主義的君主制

「君主は君臨すれども統治せず」という原則の元、憲法上は君主が政治的権限を保持しながら、実際には行使しない政治体制。

象徴君主制

君主の存在は認められているが、君主が国政に関わることはなく象徴として存在する。

共和制

主権が君主以外にある政治体制。
共和制=民主主義ではないことに注意。

民主的共和制

国民に寄り選出された国家元首や複数の代表者によって統治される。

貴族的共和制

少数の特権階級が政治的な権限を持つ。

イスラム共和制

君主以外の代表者が統治する共和制ではあるが、国法がイスラムの教えに基づいている(またはイスラム法そのものを国の法律とする)政治体制。

政治体制の分類

政治的思想

民主主義

国民が主権を持ち、国民の意思を元にして政治を行う体制。
対義語は『権威主義』。

権威主義

非民主主義的な思想や体制。

専制主義

君主や独裁者、特定の身分や政党に属する個人または少人数の集団の意志により、政治を支配するという思想や体制。

全体主義

個人の活動は全て全体の利害に従って行われるべきとする思想。個人の自由や権利より、全体の利益が優先される。

経済の体制

資本主義

国家が市場に介入することなく、個人や企業が自由な経済活動をすることができる経済システム。
経済活動に必要な資産を個人が私有できる。また、資産を持たない者は自身の労働力を提供して賃金を得ることができる。

共産主義

全ての資産を私有せず、共有することによって貧富の差のない社会を実現しようとする思想。
すべてが平等で豊かな国家において、有り余るほどの財産を国民が共有する社会になれば、階級や争い、最終的には政府さえも必要なくなるという考えに基づく。
なお、現実に成立したことはない。

社会主義

国が全ての経済活動を管理することにより、平等な社会を実現しようとする思想。国が資産を所有し、個人の職業や活動も国により管理される。
共産主義において理想とされる社会を目指す過程(発展途上の段階)とも言える。